英勝寺。花のお寺、鎌倉唯一の尼寺
2023/05/01
鎌倉唯一の尼寺。英勝寺
室町時代後期の武将、太田道灌(おおたどうかん)から数えて4代目の康資(やすすけ)の娘であり、徳川家康の妻、お勝の方(英勝院)が創建したお寺。境内は自然豊かで、四季の花が訪問者を愉しませてくれます。
白藤、あじさい、彼岸花、柊(ひいらぎ)など四季折々の花が一年中境内を鮮やかに彩ります。
英勝寺のウンチク
- 鎌倉に現存する唯一の尼寺。
- 水戸徳川家との縁が深く、同家の姫が代々住持を努めました。
初夏の英勝寺、四季の花
英勝寺。書院の白藤(しろふじ)
初夏の訪れを告げる英勝寺の絶景白藤
書院の藤棚には白藤(しろふじ)。鎌倉でも有数の美しい藤棚です。書院で抹茶をいただきながらの藤(ふじ)鑑賞は至極の贅沢時間。(2023年5月1日撮影)
英勝寺のツツジ
英勝寺には様々な彩りのツツジが咲き乱れます。仏殿前のツツジ。(2017年4月30日撮影)
仏殿裏の順路に咲くツツジ。(2017年4月30日撮影)
仏殿裏のツツジ。(2017年4月30日撮影)
金比羅宮のツツジ。(2017年4月30日撮影)
英勝寺の竹林と竹の子
英勝寺竹林には、たくましい竹の子が。(2017年4月30日撮影)
夏の英勝寺、四季の花
英勝寺のあじさい
初夏には竹林へ向かう仏殿や階段の脇に紫陽花が咲き誇り歩いているだけでも清々しい気持ちになります。初夏には紫陽花と竹林の美しい共演が見られます。
英勝寺仏殿前のあじさい。(2014年6月29日撮影)
アガパンサス
梅雨空を爽やかに咲くのアガパンサス。(2014年6月29日撮影)
通用門の花案内
通用門にはその日に鑑賞できる花の札が掲げられています。ご参考に。
英勝寺のみどころ
それほど広くない境内ですが、様々な建築物・花々にあふれた見どころ多いお寺です。
太田道灌屋敷跡碑
英勝寺の道路沿いにある太田道灌屋敷跡の石碑。
山門(重要文化財)
讃岐高松藩主・松平頼重(徳川光圀の兄)によって建立されたものです。国の重要文化財に指定されています。
仏殿(重要文化財)
正面の小窓を開けると本尊の阿弥陀三尊を拝することができます。
太子堂の丘から、山門と仏殿を見下ろす。
英勝寺の竹林と書院
英勝寺の裏山には美しい竹林があります。また書院では時期によっては抹茶を楽しむことができます。
英勝寺の竹林
必ずみたい英勝寺の竹林
英勝寺で必ずみたいのが仏殿の奥にある一段高いところに広がる竹林です。春から夏にかけて周辺の緑が深まり趣のある姿を見せてくれます。英勝寺は水戸徳川家の姫君が代々住職を勤めた尼寺。裏山の竹林は、代々の姫君の住まいがあったといわれています。
抹茶
時期によってはお抹茶をいただくことができます。500円。(2017年4月30日撮影)
太子堂と聖観菩薩
崖の上には太子堂と聖観菩薩が安置されています。
祠堂の裏のやぐら
祠堂の裏のやぐらに安置されてる仏像。太子堂の崖の上から確認することができます。
金比羅宮
背負った山腹に穿つように鎮座する金比羅宮。
三霊社権現
英勝寺の山門横の崖に掘られた洞窟、三霊社権現。洞窟内に入ることででき、洞窟中には石仏が安置されています。
洞窟内部から山門を望む。
英勝寺 鐘楼(重要文化財)
鐘楼は鎌倉では唯一という珍しい「袴腰」という様式です。
英勝寺の歴史
英勝寺の土地はかつてより、亀ヶ谷、扇が谷などと呼ばれ、平安時代には源頼朝の父・義朝の屋敷が建っていました。しかし鎌倉時代には寿福寺に変わりました。
鎌倉幕府が滅ぶと、鎌倉は足利氏の支配地となり、扇ガ谷は上杉氏が支配することに。上杉氏の家臣である太田道灌もこの上杉屋敷の一角に居を構えました。しかし1486年、扇谷、山内両上杉氏の対立に巻き込まれ、太田道灌は暗殺されてしまいます。
その後、戦国時代が終結に向かう中で、関東の支配者である徳川家康は、自分が源氏の血統であることを理由に、鎌倉の復興に尽力します。また没落した関東の名家の救済にも力を入れ、太田道灌5代の重政も鎌倉に招かれました。その妹のお八が江戸城に参上し、家康の夫人になります。
家康の寵愛を受けたお八は、お梶と名を改め、戦場に同行します。すると家康は連戦連勝し、関ヶ原の勝利を祝い、お勝と名を賜ります。お勝は、大阪冬の陣、夏の陣にも同伴しています。
徳川家康の逝去後、お勝は出家し、英勝院と名を改めます。その後、寺を開き、1636年(寛永13年)に仏殿が完成。英勝院が逝去したのち、寺領は加増さて、祠堂や山門、鐘楼などが加わりました。以来英勝寺は水戸家の御寺として370余年の歴史を重ねることとなります。
英勝寺へのアクセス
所在地: 鎌倉市扇ヶ谷1-16-3
鎌倉駅西口より徒歩10分
英勝寺について
- 拝観時間:午前9時~午後4時
- 拝観料:200円
- 山号:東光山(とうこうざん)
- 宗派:浄土宗
- 創建:1636年(寛永13年)
- 開山:玉峯清因(父・水戸頼房、水戸光圀の姉)
- 開基:英勝院(太田道灌5代の子孫)
- 本尊:阿弥陀如来(徳川三代将軍家光寄進と伝えられる)
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