公暁悲劇の道。四辻
2020/11/22
公暁悲劇の道。建長寺奥、回春院の更に奥。

鎌倉幕府2代将軍源頼家(みなもとのよりいえ)の遺児、公暁(くぎょう)。1219年に3代将軍である源実朝(さねとも)を鶴ヶ岡八幡宮の大銀杏の影から暗殺し、その後この鶴ヶ岡八幡宮の裏山を辿るこの道を逃走中に殺害されたといわれています。
現在は鶴ヶ岡八幡宮側からこの道を辿ることはできませんが、北鎌倉の建長寺奥にかつて地獄谷と呼ばれる刑場があり、その方面から辿ることができます。
尚、この道はかなりマニアックなルートで、ガイドブックに載っておるようなハイキングコースではありません。そのため道の整備状態も悪く、散策者をすれ違うこともほとんどありません。歩かれる方はくれぐれもお気をつけて散策してください。
建長寺の奥深く
観光客で賑わう建長寺。その奥にひっそり佇む塔頭。知る人ぞ知る、回春院。
公暁悲劇の道はまずは回春院へ向かうところからスタートです。

まずは建長寺の本尊、地蔵菩薩へ祈願。

建長寺の奥、方丈へ向かいます。

観光客で賑わう建長寺を横目に、半僧坊方面に進んでいきます。

秋は紅葉は美しい半僧坊道。

この案内板を目印に半僧坊道を右に折れ、回春院へ向かいます。

5分ほど歩くと建長寺の塔頭のひとつ回春院へ到着。池に囲まれたこの塔頭は訪れる人はまばらですが、鎌倉らしくない湖畔の雰囲気がありとても趣きのあるお寺です。
このあたりはかつて地獄谷とよばれ刑場がありました。
建長寺創建の以前にこのあたりに心平寺というお寺があり本尊は刑場を見守る地蔵菩薩、建長寺の本尊の大きな地蔵菩薩はこの心平寺との縁があると言われています。

本堂前の「大覚池」。

「大覚池」を回りこみながら更に奥に進みます。

奥はたんぼになり行き止まりの標識があります。この谷のどこかにかつての刑場や伽羅陀山心平寺があったのでしょう。

行き止まりの標識。
四辻。公暁悲劇の道へ
回春院から西御門付近の四辻を経て、天園ハイキングコースの十王岩付近までハイキングが可能な山道があります。観光客が歩くような道ではありませんが、大覚池ほとりの標識を西御門方面に歩いていきましょう。

このあたりはかなりの悪路。標識を信じて森をかけ入る感じです。振り返って大覚池を見るとこのような景色です。

道無き道をいきます。

5分ほどでついに四ツ辻に到着!見た目はただの山道が交差している場所に過ぎませんが、ここが鶴ヶ岡八幡宮から逃げていきた公暁が捕まった場所と言われています。

鶴ヶ岡八幡宮方面(南)を見ると道がありません。こちらから実朝を斬った公暁が逃げてきたのでしょうか。

山深いと思いきや、西は10メートルほどで住宅街の舗装道路に出ることができます。西御門の住宅街の外れのようです。

舗装道路に出とこんな感じです。

北は更に山道が奥に続きます。この奥に分け入ると、朱垂木やぐら群
、さらには天園ハイキングコースにつながります。
朱垂木やぐら群から天園ハイキングコースへ

北の山道を進みます。すると切り出し場のような平地に出ます。ここにもやぐらがいくつか見ることができます。

平場を過ぎるとやや険しい山道が続きます。

15分ほど登ると、右手に開けた場所にやぐらが見えます。ここが朱垂木やぐら群です。

このやぐらは仏殿として使われていたということです。

やぐら群から道なき道と5分ほど登ると、人気が!天園ハイキングコースに合流しました。一安心!

天園ハイキングコースの十王岩付近です。この石の標識が分かれ道。天園ハイキングコースを散策していた時は、ここを一体誰が下るんだろうと思ってたけど、こんな道があるんですね。
〜週末、お出かけ。鎌倉トリップ。〜