比企能員 (ひき よしかず)と鎌倉
2021/03/28
比企能員 (ひき よしかず)。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の登場人物です。
鎌倉幕府を支えた悲劇の比企一族の棟梁
鎌倉殿の13人のひとり、比企能員(ひきよしかず)。武蔵の坂東武者の棟梁。鎌倉幕府初期の有力御家人。
鎌倉幕府2代将軍「源頼家」の乳母父となり、娘が頼家の側室となって嫡子一幡を産んだ事から権勢を強めた。北条時政との対立により比企能員の変(比企の乱)で滅亡した。
比企能員 (ひき よしかず)と鎌倉の歴史
鎌倉殿の13人のひとり、比企能員(ひきよしかず)。武蔵の坂東武者の棟梁。鎌倉幕府初期の有力御家人。
鎌倉幕府二代将軍「源頼家(みなもとよりよし)」の乳母夫であったことから、源頼朝の死後、急速に幕府内で台頭。このため「北条時政(ほうじょうときまさ)」率いる北条氏と対立を強める。北条時政の陰謀比企能員の変(比企の乱)により非業の死を遂げ、続く幕府軍との戦闘で比企一族は滅亡することになる。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、佐藤二朗さんが比企能員 (ひき よしかず)を演じます。
比企能員 (ひき よしかず)の家系
- 伯母:比企尼。鎌倉幕府初代将軍「源頼朝(みなもと よりとも)」の乳母
- 娘:若狭局。鎌倉幕府2代将軍「源頼家(みなもと よりいえ)」の側室。「一幡」の母
- 末子:比企大学三郎能本。日蓮上人に帰依し、比企の屋敷跡に妙本寺を建立
比企能員 (ひき よしかず)と鎌倉の史跡
「妙本寺」比企一族の拠点
悲劇の比企一族の歴史を背景に建つ山のお寺。
妙本寺の寺域はかつて有力御家人である、比企能員邸があったことろです。
鎌倉幕府初代将軍「源頼朝(みなもとのよりとも)」の死後、幕府の権力者「北条時政」と幕府の有力御家人「比企能員」は幕府の主導権争いから対立します。その結果、比企能員と棟梁とする比企一族は1203年(建仁3年)北条時政率いる北条氏によってこの妙本寺のある比企ヶ谷で滅ぼされてしまいます。
- 拝観時間:日没まで
- 拝観料:なし
- 所在地:鎌倉市大町1-15-1
- アクセス:JR鎌倉駅より徒歩15分
「釈迦堂口切通し」北条時政の名越山荘
中世鎌倉の雰囲気を残す趣きのある古道。
釈迦堂切通のあたりは、北条時政の名越山荘があったところといわれています。1203年(建仁3年)権力の比企能員(ひきよしかず)への権力集中を恐れた時政が比企能員を呼び出して謀殺したいわゆる「比企能員の変」の舞台となった山荘はこのあたりだったといわれています。
- 所在地:鎌倉市大町6丁目~浄明寺1丁目(付近)
- アクセス:鎌倉駅東口より徒歩35分。または「鎌倉霊園・太刀洗」行など金沢街道方面バス 「杉本観音」下車徒歩10分
比企能員 (ひき よしかず)をもっと知る
大河ドラマ鎌倉殿の13人には原作はありません。比企能員 を題材とした歴史小説はほとんどありませんが、永井路子署「炎環(文春文庫)」がおすすめです。
直木賞受賞作品で初版はなんと1964年刊。鎌倉幕府の創建時にまつわる連作短編。4つの短編では、それぞれ以下の歴史人物が主人公となり、不安定な鎌倉幕府初期の鎌倉武士模様が鮮明に描かれています。
- 「悪禅師」:阿野全成(源頼朝の弟)
- 「黒雪賦」:梶原景時
- 「いもうと」:北条保子(北条政子の妹、阿野全成の妻)
- 「覇樹」:北条義時