【名越切通し】小坪階段口から名越切通しへのルート
2021/05/09
防御機構や様々な史跡が残る名越切通し。中世の雰囲気を色濃く残す古道です。(国指定史跡)
鎌倉大町と逗子・三浦をつなぐ。かつての東海道の主要路
ロマン溢れる鎌倉時代から残る古道。かつて北条氏にとっては三浦半島の三浦氏が脅威であったため、三浦半島に続くこの道には「大切岸」のような防御機構の名残がのこっています。難路から「難越え」、転じて「名越」になったといわれています。
現在の横須賀線の名越トンネル上に旧道が残っていますが、生活道は新しくできた小坪トンネルに代わったため、未だに中世鎌倉の雰囲気を残している趣きのある切通しです。
名越切通しの行き方・入り口・ルート
名越切通しへのアクセス
※クリックして拡大。
名越切通へのアクセスは複数の入り口がありますが、鎌倉駅方面からは「大町口」、逗子駅方面からは「法性寺口」、あるいは小坪経由で「小坪階段口」が一般的です。
小坪階段口からのアクセス
名越切通し小坪階段口は逗子市小坪7丁目1付近。写真の通り階段になっていて左に上っていくと切通に向かう登山口になっています。(2016年5月5日撮影)
小坪階段口を登ったところ。小坪の町並みが眼下に広がります。
階段を登りきると平場に出ます。平場の際に木の階段が見えるので更に山に分け入ります。
名越切通しへ
整備された階段を上がり一気に山の中に分け入ります。
名越切通し史跡碑が。この先は名越切通の最狭部、絶景の第一切通です。
【絶景】第一切通。名越切通の最狭部
外的の侵入を防ぐためにあえて狭く作ったと言われています。(2016年5月5日撮影)
「第一切通・亀が岡団地口(亀が岡団地口)」「小坪階段口・バス停緑ケ丘入り口(小坪階段口)」「鎌倉市大町口」方面の三叉路。鎌倉市大町口方面に進みます。
「亀が岡団地口」「小坪階段口」方面に向かう途中、まんだら堂やぐらへの入り口があります。まんだら堂やぐらは普段は非公開ですが、季節限定で一般にも公開しています。
【絶景】葬送遺構。まんだら堂やぐら群
季節限定で公開される、鎌倉最大級のやぐら群。葬送遺構。
名越切通しの史跡碑と三叉路
しばらくハイキングコースを歩くと、名越切通しの史跡碑と案内版が併設された三叉路に。「法性寺・ハイライド住宅地・衣張山」「名越切通・まんだら堂やぐら(小坪階段口方面)」「鎌倉市大町・長勝寺安国論寺(大町口方面)」方面の三叉路。
三叉路の引きの絵。上りは「法性寺・ハイライド住宅地・衣張山(法性寺口)」方面。この史跡碑と亀が岡団地口までの間に、大小3箇所の切通遺構があります。
名越切通しの行き方・入り口・ルート
切通しとは
源頼朝(みなもとのよりとも)が鎌倉に幕府を開いた大きな理由は、南は海に、北東西は山に囲まれ、敵の侵入を防ぎやすい地形だったからと言われています。
そこで物資運搬にために山などと切り開いて造った道が「切通し(きりとおし)」です。
中でも「亀ヶ谷坂切通し」「化粧坂切通し」「巨福呂坂切通し」「大仏切通切通し」「極楽寺切通し」「朝夷奈切通」「名越切通し」は鎌倉七口と呼ばれ、鎌倉と外部を結ぶ特に重要な要路として存在しました。
明治以降は車道として次々と道路拡張が行われてしまいましたが、一部の切通しは当時の古道の姿を残しており、歴史の街、鎌倉らしい景色を散策することができます。
また、鎌倉七口には数えらませんが、「釈迦堂口切通し」は中世の面影を残す、訪れる価値のある切通しのひとつです。
週末、お出かけ。鎌倉トリップ。